翻訳

翻訳者の持病あれこれ

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どんな仕事にも職業病と言えそうなものがありますが、翻訳者にもあります。私の場合は、そういうものがすでに「持病」になってしまっているので、皆さんがそうならないように、ちょっとした警告とアドバイスです。

まず第一に、「腰痛」に悩まされます。

ずっとPC前に座っているので腰痛になりやすいんですよ。もちろん筋肉を鍛えている人なら大丈夫かもしれませんが、仕事が忙しくなってくると、外出もせずひたすらカタカタとキーボードの音が室内に響く、みたいな時間を連続で過ごしてしまうので、筋トレする意欲もウォーキングに出かけようというモチベーションもすべて失せてしまう日もあります(納期が近くなると特に)。

私の場合はどうやら過労気味になるとホルモンバランスが崩れて、それがトリガーになって股関節が緩くなってくるみたいで、そうなると朝ベッドから起き上がる時に既に「あっ、腰やられそうかも」という雰囲気が漂いはじめて、そうなると椅子に座っていられなくなります。

ということで、翻訳者は過去に椅子にかなりの投資をしている方が少なくないんですよね。人間工学的に考えられた高額チェアがたくさん市場に出ているので、私も色々と試してみました。

まず膝で支えて前のめりの姿勢を作らせるタイプのもの(「背もたれ」ではなく、「腹もたれ」が付いている様なもの)ですが、これはめちゃくちゃ作業の邪魔になります。結局手で支えるような形になって全く快適ではないです。またゲーミングチェアの様に全体で支えるようなタイプも、結局は腰に負担は来るのでアウト。

スタンディングデスクで作業しようと試みたこともありますが、個人的には全くだめで、 集中すると数時間が10分程度にしか感じられないくらいに没頭できる私が、逆に足が疲れて集中できない事案が発生してしまいボツ。

ある日、某メガベンチャーのオフィスの写真を見ていたところ、バランスボールが転がっているのを不思議に思って調べてみたところ、バランスボールをチェアとして使っている人たちがいることを知り、試しに使ってみたところ、これが大正解!今ではバランスボールなしの生活は考えられないほどになりました。

私の個人的なおススメは、長時間のPCワークをする方で腰痛予防、または腰痛がありつつも作業を進めるためには、椅子の代わりにバランスボールをつかう!です。身長にもよりますが、サイズは大きめの方が一般的な椅子の高さに近いと思います。

バランスボールもかつては高かったんですが、今ではニトリ等でも売っているようでかなり安くなりました。空気を抜くとそれなりの大きさになって廃棄も簡単なので、ぜひぜひお試しください。また時々、翻訳文の確定に迷う文章に出会った時などは、バランスボールの上で体幹運動とかしながら「うーん」と考えたりもできるので一石二鳥ですよ(笑)。

第二に、視力の低下は避けられません。

私の場合は、翻訳の仕事を始めたのは39歳頃と遅いのですが、40代に入ってすぐに老眼が始まりまして(汗)、54歳の今では老眼鏡なしに何の文字も読めないほどに悪化しています。結構辛いものがあります。このままでは、この仕事は続けられないかも、と悩むほどにどんどんと悪くなります。視力に良いと言われるサプリや果物を食べてもあまり効果はないんですよね。要するに最終的には眼球の周りにある筋肉の衰えなので、筋肉はトレーニングすることでしか鍛えられない(サプリで筋肉ができるわけではない)ので、定期的に遠くを見たり、眼球を回したりとトレーニングする癖をつけておいたら良かったなと後悔しています。

私自身は過集中する傾向があるのですが、でもこれは仕事上ではプラスに働くのですが、途中で休憩をとるなどということが脳裏に浮かばないほど没頭してしまうので、目はPCを凝視し続けるということにもつながり、視力は悪くなってしまうんですよね。これを避けるには、作業タイマーをつけたり、途中でお水を飲んだりするといいみたいです。お水を飲むことは、私の整形外科の主治医のアドバイスだったのですが、腰痛予防にいいそうです。1時間に1杯くらい飲めと言われていたのですが、その理由は「お水を飲むと定期的にトイレに行くことになる=歩く」が強制されるからだそうです。

最後に、「カフェイン中毒」になりがちです。

これは学生さんで論文や課題の締め切り直前になると同じ状態になると思うのですが、とにかく寝たら作業が進まないので、睡魔と戦うため、そして朝一番の作業を効率的に進めるため、カフェイン=珈琲のお世話になりがちです。

世界的に見ても、翻訳者は珈琲LOVERが多いという常識があって、私もその一人です。まぁ一日に数杯飲むくらいなら問題ないと思うのですが、かなり無理なスケジュールの仕事の時には、かなり濃い複数ショットのエスプレッソを連続で飲むことも多く、そういう生活を続けていると、ある日突然目の前がぐるぐるしてブっ倒れちゃう、ということが過去に何回かありました。これ、本当に危ないのでお気をつけください。

最近は、朝起きてするに頭痛がするようになると「あ、カフェイン中毒になってるな」ということがわかるので、そうなると一ヶ月くらいカフェイン抜き生活をします。カフェイン中毒になると、カフェインを摂取すると頭痛が止まるのですぐに分かります。そして気づいた時に一旦リセットを試みます。何度も書きますが、1日に3杯飲むくらいではならないと思います。濃いショットを一気に流し込むとダメみたいですが、気づくと1日に7杯くらい飲んでいることがあるので、自分で意識的にエスプレッソのショット数は抑えるようにはしています。

ということで、SOHO翻訳者の多くは、家にエスプレッソマシンまたはコーヒーメーカーがありますよ(笑)。コーヒー飲めない人は、お茶(紅茶やハーブティーも含め)に凝る人もいますね。とにかくキーボードの横には何らかのカフェイン飲料が必要なわけです。

ということで、これを某スタバリザーブで書いています。コロンビアのダブルショットラテが今日も美味い!